LU DORESS(ドレス)足立孝史さん

HOMEREPORTINTERVIEW>ADACHI TAKAFUMI

  1. 【その1 経営一年生】2007.10.28更新
  2. 【その2 塚本さんの存在】2007.11.03更新
  3. 【その3 LU DORESS始動】2007.11.09更新

【はじめに】

初めて会ったのは何の撮影だったっけ?
数多くいるK-twoのスタイリストさんの中で、
どうしてだっちー(足立さん)だけにこだわって
しつこく指名でお仕事をお願いしてきたかというのも
そういえば、どうしてだったっけ? 

 
ただ、ひとつ強烈に覚えているのは
今はなき青山の名店「ばん御飯」で
初めてK-two青山店代表の塚本さんと呑ませてもらった時
「私はこれからもだっちー指名でいかせてもらいます!
だっちーには結構厳しいこと言うと思いますけど、ご許可ください」と
強く断言したこと。

そこまでこだわったのは、なんでだっけ?
もちろん髪型が可愛かったというのがひとつ。

あとはそう。多分・・・直感です。

そう、そんな直感でお付き合いしていただっちーは
このたび11月2日にスタートする、K-twoの新ブランド
「LU DORESS(ドレス)」の代表になりました。

かつて

「暑中見舞いの書き方教えてください」
とか
「どっかいい花畑ありませんか?」
とか
「インテリアがおしゃれなサロン教えて」
とか
いっつも用件だけの意味不明なメールをよこしてきていた
あのだっちーが……。

そういえば、ちょうど去年のこの時期に
私はうっかりだっちーに仕事の悩みを相談しちゃったことがある。
もう夜とか結構寒い時期でさ、
羽根木公園を歩きながら(犬の散歩中だったから)携帯電話で1時間近くも
「スタッフ教育」について熱く語り合った。
なんか「俺サマ系」でドS(エス)でマイペースなだっちーが
こんなにもスタッフのことちゃんと考えて仕事してるんだなーと
超びっくりした(いや、失礼)

その時は、だっちーの話に
なんか、すっかり感動しちゃったんだけど、
今回会ってゆっくり話をきいたら、
なんだか、その時話していたこととは違うこと言ってた。

そう。
サロンオープンまで1ヶ月をきったこの日。
だっちーは、ちょうど
めちゃめちゃいろんなことに
悩みながら走っているところだったのです。

【その1 経営一年生】

増田
久しぶりだね。なんか。

足立
久しぶりっすねー。

増田
ま、じゃ、いきなりだけど
来月にLU DPRESSのオープンをひかえて
今、どんな感じ?

足立
そうそう。
僕ね、なんか今、
めまぐるしく、自分の根本がぐるまわってる状態なんですわ。
悪く言えば、定まっていない感じ。
なんで、ちょっとうまく話せるかどうか分かんないんですけど。

増田
うん。いいよ。全然それで。
そういうのも含めて、今考えていることを
思いつくことから話してくれれば。

足立
んー。そうですね。
今までって、一人の人間として、美容師として
お客さんと自分のアシスタントの面倒をみればよかったじゃないすか。
でも今はそれが、少ない人数ではあるけれど
スタッフ全員の背景、それこそ家族まで含めて
僕の考えることや進む方向によって影響されるんだろうなと。
そんなことを考えたりして、ゆらいでる感じですよね。

増田 
具体的にはどんなところが一番ゆらいでる?

足立 
どこがゆらいでいるかもようわからんくて
微妙な感じではあるんですけど(笑)。
そうだなー、仕事というものに対する考え方、
人との接し方に関して、最近多く学んでいると思う。
人に接する難しさ、ややこしさとか。

昔、ゆみさんに言われたじゃないっすか。
「あんた、外受け悪いよね」って(笑)。
今になって意味がわかった(笑)。
最近、いろんな人を紹介していただいて
自分の対応をちょっと間違えると、
それはすぐサロンに影響するんだなと思って。

増田
うん。だっちー、第一印象悪いもん(笑)。

足立
あのときは「でも可愛いもん作ればいいんちゃうの?」
って思ってたけど、
今、そうじゃないところにきて、
人と接することの難しさを感じてる。
お客さんに対してはできることでも、
仕事の相手だったりすると、初心者やから。
まして、自分を高く評価してくれる人がいらっしゃったりして
そういう人に幻滅されないようにとか、
難しいなーと。

増田
そういう新しい課題にぶつかったときって、
だっちーはどうやって解決するタイプ?

足立
ちょっと前までは自分で考えて、動いて、結果がでるって感じで
わからないときだけ、人に聞くっていうスタンス。
今は、聞く、やる、聞くってスタンス。

アシスタントを育てるときは
「自分で考えてやれ」って言うんですよ。
失敗して、わからないことがあったらに聞けって。
どうして失敗したのかという掘り下げからレッスンしたりする。

でも、今は、自分がそういうことしちゃいかん、コケちゃいかんって思う。
アシスタント時代は間違えました、失敗しましたで済むけれど、
今、自分は「失敗しました」じゃ済まないことをやろうとしてるんだから、
自分の考えはさておき、「経営一年生」という自覚をもって
なんでも人に聞くようにしています。
越智さん(K-two代表 越智岳也さん)にも
「わからなくて当たり前なんだから、もっと素直に人に聞きなさい」って
言われて、とりあえず聞きまわろうって。

増田
どんな人に聞くの?

足立
越智さんはもちろん、
うちの店長クラスの人、事務所の人、プレスの人、
そういう人に何でも聞いてます。
特にプレスとかって、人とつながるのが仕事だから、
接客やってる僕らより話をするのがうまくって、すごく勉強になる。
もちろん質問があるから聞くんだけど、
相談して、その内容も聞きつつ、
それをどういう言い方をして僕に伝えるのかということを
一緒に勉強させてもらってます。

増田
接客も変わった?
昔って、「俺の提案をきいてくれるお客さんが好き」って言ってたよね(笑)。

足立。
うん。変わった。
もっと人の言うことをきかなきゃ、と思うようになって
接客が優しくなったと思う。
でも、それがいいか悪いかわからんとこもあります。
今までの顧客が、僕のこういう変化をどうとらえるかもわからん。
ひょっとしたら前の方がよかったって言うかもしれないし
優しくなってよかったというのもあるかもしれないし。

これはアシスタントに対してでもそうで、
まず、人の意見を聞かなきゃ、というのが先にたって
自分のことをあんまり言わなくなったんですよ。
自分で考えてアシスタントにそれをガンガン言っていたときに比べたら
もう、今は全然。
朝礼も終礼でも、昔はすっごい怒ってたんですよ。
でも最近、すっごく丸い。
「こんな感じでいこうよー」とか。
子どもができたお父さんみたいかな。
ああ、お父さんってこんな感じかなって?

これから、サロンの一番上に立つ人間として、
下の子に自分の意見をバンバン言うのがいいのか悪いのか?
それは今、思案中です。

増田
サロン、何人くらいなんだっけ?

足立
スタッフ11人、プラス、フロント2人で13人。

あ、ただ、
大阪から長尾がきて合流してくれてから
すごく楽になってるんすよ。
今までは、自分が考えていることを
下に伝えてくれる中間の人間がいなかったんで、
それができる人間が来てくれたことによって
僕の示す方向性が伝わりやすくなったなと思うし、
さらに、もっと方向性をしっかり持たなきゃって思ったし。

僕のやることって、船でいったら船長だから
右っていったら右、左っていったら左にいく。
それ、間違ったら死ぬじゃないですか。
その重さを最近ひしひし感じてる。
慎重になりますね。怖い。
僕にはまだ怖い。
それが今、根本からゆらいでいるというか
まだ、定まってないって思うところですね。

【その2 塚本さんの存在】

増田
サロンを出すにあたって
塚本さんに対する見方は変わった?

足立
そうですね。変わりました。
塚本さんは、やっぱりすごく自分に厳しい人なんすよね。
僕がよく言われていたのは
「甘い」「あまちゃんだ」と。
いけてる、売れてるものを作りたい
東京で生き残れるスタイルを作りたいんだったら
もっとやらなあかん、っていっつも言われていたんですよ。

あらゆることについて、今さらながら塚本さんのすごさを感じることが多い。
そら、めちゃくちゃだなと思うこともあったし
反発したところもあったけど、
今は、それがありだな思うようになってきたし、
理解できる部分が多くなってきた。

増田
反発したんだ?

足立
昔はもう反発、反発、反発ですわ。

増田
どんな部分に?

足立
そうっすね。
たとえ話ですけれど、
「レッスンしなさい」って言われますよね。
「一日一レッスンしなさい」って言われるんです。
僕が「撮影があって朝早いんです」って言っても、
「撮影で7時から仕事しなきゃいけないなら、
6時にサロンにきてレッスンやりゃいんやん」みたいな人なんです。
僕は、「撮影のために7時からサロンに来るのも十分レッスンみたいなもんやん?」
とか思ったりしたんだけど、
その塚本さんの厳しさが、最近わかるようになってきたかな。

増田
だっちーは、K-twoの東京サロンのオープニングで入ったんだよね?

足立
そうです。6年前。
渋谷のスターガーデンにサロンをオープンしたときですね。

増田
その前は?

足立
その前はいろんな場所でやってました。
それこそ1000円カットのところにもいたし
大きいサロンでも働いてました。
最初は大阪ですね。

増田
どうしてK-twoに腰をすえたの?

足立
うーん。
K-twoを受けたときは、別にK-twoというブランドはどうでもよかったんですね。
とにかくいろんな美容を見たかっただけ。
「1000円カットにくるお客さんってどうなんだろう?」
「スタッフの空気感はどんな感じなんだろう?」とかって
純粋にいろんなサロンに興味があって。
K-twoは、たまたま求人誌をみてたら
渋谷に美容の複合ビルが出て
ヘアもメイクもネイルもマッサージもやるところがあるらしいってことで、
その形態がおもしろそうと思って受けたんです。
そういう大きい、複合施設にいきたいと。

増田
ここまで居座った理由は?

足立
悔しかったから。

増田
悔しかった?

足立
うん。挫折といえば挫折ですね。
大阪では一番でスタイリストになって
デビューして半年しか働いてなかったけど
売上ものびて
「東京に行く」といったら「すごいね」と言われ
それまでどこの面接行っても受かるし
自分の中でいい気になっていたんだと思うんですよ。

それが入って、K-twoはオープニングだったし
お客さんも少ないし、すごい暇だし
もちろん塚本さんは怒るし(笑)
「今、君は何するべきなの?」って。
そのころ、ファッションとか全然興味なかったんで
「なんなのそのダサい服?」とか(笑)。
もう、そっからですよ。
悔しくて服をバンバン買うようになって。
もうね、毎日けちょんけちょんだったですもん。
「なんでこのヒゲづらしたじいにここまで言われなきゃいけないんだ」って(笑)。

増田
きつかった?

足立
自分はたいしたもんじゃないのかもって
すごく卑屈になって
「今日風邪です」って休んだりしてて
K-twoの中では
「あいつ、やめるんじゃん?」って言われてた。
でも、休んでるときに考えるんですよ。
このまま辞めたくない。
悔しい、みんないひと泡ふかせたいって。
そっから、今まで自分が努力してなかったことをやろうと。
そう思うようになったんですよね。

増田
ほら、K-twoって、塚本さんが雑誌にめちゃめちゃ出るようになったじゃない?
そういうときのだっちーの心境って?

足立
そら、悔しかったです。
すげー悔しいし、
あの人はどんどん上がる一方。
あの人が上がれば上がるほど、
僕らって、逆にそれにどんどん埋もれていく。
決して僕らも成長してないわけじゃないんだけど
僕らが下がってるわけじゃないのに
塚本さんがものすごいスピードで上がっていくから
自分が下がっているんじゃないかというあせり。

雑誌にバンバンでてお客さんはアホみたいにくるし、
撮影撮影で、でも、それをやり続けられる塚本さんがすごいと思った。
僕らなんか200、300くらいでひーひー言ってるっていうのに。

で、塚本さんのすごいところは
それでも周りをみて
スタッフに指示をだしたり教育したりするんですよ。
そういうものすごい状態なのに
いっぱいいっぱいにならない人間が
身近にいて、見てくれいたというのは嬉しかったし。

増田
嬉しかった?

足立
うん。そうですね。
嬉しかったし、塚本さんが上で、本当によかった。
あの人がいっぱいいっぱいになっていたら
お客さんに対する配慮のしかたとか
スタッフ全員なかったと思うし。

自分はあの人に比べてまだまだですけれど
今度のLU DORESSのチームの中では、
僕が周りを見ていかなきゃいけないんだということ、
それはやっぱり塚本さんから学びました。

増田
今回のサロンオープンにあたって
塚本さんにはいろいろ相談したの?

足立
例えば、施術の金額のこととか
何をどれくらいの値段にしたらいいでしょうとか相談しても
「全部の決断はお前がやるべきだ」と。
これから一人で舵をとっていくんだから、
この金額でいいのか悪いのか、それを判断するのもお前の仕事だって。
それを自分で決断することの厳しさを教えてもらっている。
そういう意味で、塚本さんは優しいな。うん。
普通だったら
「もうちょっと高いほうがいいんやんか」とか、
教えてくれると思うんだけど、
そういう優しさじゃなくって、
僕がこれから一人でやっても大丈夫なようにって、ケツたたいてくれる。
そういう優しさをすごく感じる。
面倒なだけかな?(笑)
いや、すごく優しいんやろーな、と思ってます。

【その3 LU DORESS始動】

増田
これさ、また半年後にインタビューさせてもらいたいんだけど
だっちーは、半年後って、どうなってるイメージ?

足立
次会う時は、酒飲みながらもっと楽しく話せたらいいな、と思う(笑)。
いや、今も楽しいんだけど、
もっと楽しみながら、仕事をしてたいかな。
基本的に楽しみながらするのが好きだから。

今はやっぱり、サロンのオープンに対して不安がでかくて
何をしてても、休みの日もすっごい不安なんですよ。
定休日だったりしても1日1回サロンに来ないと落ち着かないんですよ。

増田
おお。それだけプレッシャーだってことだよね。

足立
うん。休みの日も、メールや書類をチェックして
OKだったら帰る。
朝も8時には来て、店が家みたいっすね。

増田
そっかー。
半年後、どうなってるだろうね?

足立
今までは、どっちかというと
自分が大事で、とにかく、自分、自分だったんですよ。
自分の生き方、時間、考え……。
それがどんどんどんどん変わっていって、
今の僕は、スタッフなんですよね。
とりあえず、スタッフが好きになっちゃって(笑)。
自分でもキモイと思うんだけど(笑)。

でも、やっぱり自分がのびなきゃ、下がのびない
下の子のためにも、自分がのびなきゃ
本当に毎日そう思ってる。
考える基準がお父さんみたいになっている。
でも、今はそれも面白いです。

増田
サロンをオープンするにあたって
一番楽しみなことは?

足立
一番楽しみなこと……。
みんなの成長、かな。

増田
ほんと、お父さんみたい(笑)
じゃあ、一番心配なことは?

足立
一番心配なこと……。
うーん、売上(笑)。
いやいや、ま、それも本音ですけど
一番心配なのは、外部とのつながり。
正直僕って、今までご存じのとおり
外でのアレがないじゃないですか、交流。
そこに長尾が入ってきていろいろやりやすくなってきているんですけど

増田
具体的には?

足立
下の子に道を残さなきゃいけないというか
というか、作らなきゃいけないというか。
雑誌とかの媒体も含めて、外部とのつながり

僕って、タレント性にかけるじゃないですか。

増田
そんなことないよ……とは
ちょっと言いにくいか(笑)
塚本さんもキム(K-two木村亜沙美さん)も
華やかだもんね。

足立
いや、ほんとそうだと思うんですよ。
塚本さんみたいなタレント性はないし
あの人に比べたら平平凡凡のスタイルしかつくれないし。
その中で、どうやって外部とのつながりを保っていくか、というところ。
撮影もそうだし、メーカーの講習だったり、セミナーだったり。

増田
だっちーって、なんていうか
フォローするわけじゃないけど(笑)
確かに塚本さんやキムみたいなばーんとした華やかさはないけど
玄人好みだよね。

足立
ありがとうございます。フォローですか、それ?(笑)
そうなんですよね。
僕、職人肌だと思う。
タレントというより職人。
どうしても自分がつくるスタイルって
手触りにいきつくんです。
触ってなんぼ、触れてなんぼ
形じゃないっていう。
その部分にはすごくこだわりがあって。

増田
うーん、難しい。
写真に出ない部分ばっかじゃん(笑)。

足立
うん。出ませんね、写真に(笑)。
枝毛カットしたときのあの手触り、
あのリペアカットが大好きで。
あ、そうそう。
リペアカット、今度LU DORESSでメニュー化するんですよ。

増田
あ。そうなんだ。アレ、良かったよね。
そういう職人肌という部分も含めて、
だっちーが自分で思っている自分の強みって何?

足立
一対一でしゃべっているときの
その人の空気をよむのは強いかなと思う。
この人が気に入ってるか、気に入ってないか
目があっただけですぐわかる。
そこは、一緒に働いているスタッフの中では、
自分がダントツだと思っている。
そろそろこうしたいんじゃないかなーという空気感とかね。

数字がある程度あがってきてからなんですけど
「この人って、何考えているんだろう」というところに
興味を持ち始めてきたんですよ。
それまでは正直、人の気持ちってあんまり興味なかったし
どーでも良かったりしたんだけど、
今は、お客さんでも下の子でも
「何考えてるのかなー?」って考えるようになった。

増田
それは立場が変わって、特にそういう気持ちが強くなったのかもね。

足立
いろんなことに敏感になってきたんだと思う。
「なんで、この人はこういう聞き方をするんだろう?」とか。
昔だったら「なんでわからんのや!」って怒っちゃうところも
よく考えたら、自分の伝え方がまずかったのかなーと思ったり。
自分の思い通りにしたかったら自分が行動しなきゃいけない。
自分が聞いてほしいと思えば聞いてもらえる努力をする。
しゃべりかた、怒り方、表情いろいろ、
そういうこと、考え始めましたね。

増田
なるほど。

足立
話すのは面白いし、
でも、昔以上に慎重になってる。
言葉の重さも感じるようになった。
下の子としゃべるときは
練習台にするわけじゃないけれど、でもいろいろ考えて話し方を変えてみたりしてる。
自分より若くて、いろんなところが未熟なんだけど
そういう子にも伝わる話し方がしたい。

言葉じゃなくて言霊が伝わるって感じ、あると思うんですよ。
自分の思いをそのまま、コン、と伝えられたらいいなーと思う。
その自分が発した言霊みたいなもんが、すっごく小っちゃかったら
それは相手に伝わらないし、相手も燃えない。
自分ではめっちゃでかい火の玉みたいな言霊を出したと思っても
本当はぽっとしか出てないかもしれないし。
だから、人の気持ちをつかめるような話し方をしたい。

結局、自分の評価なんて、まわりがするものだし
自分がするもんじゃない。
自分でどんなに「いいこと言うたわー」と思っても、
相手にとっては「何言うてるの?」って感じかもしれないし。

増田
なんか、楽しそうだね。美容。
大変なんだろうけど、全体的に楽しそう。

足立
美容は面白いです。
髪切るの大好きだし。
お客さんは友達だと思っている。
もちろん、あくまでお客さんよりの友達、だけど。

お客さんにオープンになってもらうんだったら
自分自身もある程度オープンにしないとって思う。
お客さんとスタイリストって
クローズしたらクローズしちゃうし
オープンにすればがっぷり組みあえる。
スタイルがイマイチ違っても
ちゃんと組み合えていればリピートしてくれるだろうし
飽きたら飽きたって言ってくれるだろうし。
せっかく来てくれて、せっかく出会えたんだから
僕は、人間としての足立を見てほしいし、
人間としてのお客さんを見たくてやってる。

増田
プライベートな話もするの?

足立
プライベートな話もガンガンする。
そういうのが楽しい。
そういうところからお客さんの普段も聞き出せるし。

美容師って面白いなーって思うんすよ。
自分を売るというホスト的な要素もあるし
その人の美を引き出すクリエイティブな要素もある。
そこに経営がのっかっちゃってきたから
今は、溺れそうになってるけど
やっぱり面白いと思う。

増田
今後はどういう方向にいきたいの?

足立
3年後にハサミ置いてるかもしれないし
経営者になってるかもしれないし、
ほんと、わかんないなー。

増田
えっ。ハサミ置くかもなの?
そりゃ、困る(笑)

足立
ま、それは冗談としても。
今、心配なのは下の子たちだし。
でも、自分が40歳になったときは
全然違うことやってみたいというのはあります。

何がしたいんだろ?
美容師はもちろん好きだし楽しいけど
人生は1回しかないから
もうひとつ、ふたつやりたいかなと。
これだけ美容に時間を費やしてきて
いろんなことを学んだけどまだまだいろいろやりたい。
10年後美容師として活躍していて、それはそれでいいんだけど
もっといろんなことをやりたいかな。
海の家のおにーさんとか?
こういうことを言うと
美容師好きじゃなさそうだけど
そうじゃなくて。

例えば今、目の前にゆみさんがいて、
僕とゆみさんでは、それぞれに生き方が違って
仕事が違うと考え方も違う。
だから、人と会って話すのって楽しい。
いろんな経験をしたいんですよね。

でも、今はまず、LU DORESSです。
そんで、自分と下の子たちが育っていくこと。
まずはそれですわ。

増田
んじゃ、半年後に。
その時はお酒呑みながら、やりますか(笑)。

足立
そうですね。
じゃ、またその時に。

2007.10.6取材分 完